これまで化学構造の小さい低分子医薬品の研究が盛んに行われてきましたが、やや研究は飽和状態になっているのが現状です。

そこで、近年盛んに研究開発されているのが中分子医薬品です。では現在ますます注目されている中分子医薬品とは一体どのようなものなのでしょうか。

中分子医薬

「低分子医薬品」「抗体医薬品」について簡単に先に説明しますので、そのうえで「中分子医薬」についてのポイントを学んでみてくださいね。

低分子医薬品の特徴

これまでずっと研究されてきた低分子医薬品とは、例えば、バファリンアスピリンなどの化学構造の小さな化合物を主成分とする医薬品です。

このような小さな薬は、研究開発にそれほど費用がかからないというメリットと、比較的短期間で実用化に結び付けることが出来るという大きなメリットを兼ね備えています。

一方、デメリットもありまして、化学構造が小さい分、目的のタンパク質以外とも相互作用してしまい、副作用という形で発現してしまう可能性があります。

副作用

今、この文章を呼んであまり理解できなかった方もいると思うので次項で分かりやすく説明します。

薬が効くメカニズム。アスピリンの例

身体の中では、大きなタンパク質とある化合物が結合することによって信号が伝達され、それが病気につながります。

たんぱく質と化合物が結合すると頭痛が起きる

もっと分かりやすく言うのであれば、例えば、頭痛につながるタンパク質と、そのタンパク質を活性化させる化合物が身体の中で泳いでいる光景を想像してみてください。

その2つがくっつくと頭痛が激しくなるのですが、そのタンパク質とある化合物がくっつかないようにタンパク質にフタをしてしまうというのが、アスピリンのメカニズムです。

たんぱく質と化合物が結合しないと頭痛が防げる

しかし、アスピリンはほかのタンパク質ともくっついてしまうおそれがあり、それが吐き気などの副作用につながります。

アスピリンが別のたんぱく質と結合して副作用が起こる

抗体医薬品の特徴

抗体とは、身体の中にある病原体に対して自然の力で生み出す病原体バスターです。

特徴といたしましては、とても化学構造が大きいことが挙げられます。

なので、その病気を抑制したいというニーズに対し、ピンポイントで効果を発揮することが出来るのが大きなメリットです。

このメカニズムを応用し、人工的に体外で合成出来るようにしたのが抗体医薬品なのですが、現状としてまだまだ容易に実用化できる段階には至っておらず、研究開発費用も低分子医薬とは比にならないくらいかかってしまいます。

中分子医薬品の登場

上述したことをまとめますと

  • 低分子医薬品:小さい故に開発費用はかからないが、副作用が出やすい
  • 抗体医薬品:大きい故に開発費用がかかるが、副作用が出にくい

という2つの医薬品の特徴が垣間見れます。

この2つの良いところをとったのが中分子医薬品です。

化学構造で言えば、低分子医薬品と抗体医薬品のちょうど中間に位置します。

現代では、このジャンルの医薬品がかなり注目されており、日本だけでなく世界的に多くの製薬会社で研究開発が進められています。

また、大手製薬会社だけでなく、中分子医薬品に特化した製薬ベンチャーも次々と設立されており、このような現状からも皆が中分子医薬品に可能性を見出していることがうかがえます。

中分子医薬品に対する個人的見解

多くの可能性を秘めている中分子医薬品ですが、何もメリットばかりではありません。

実際に医療機関で使用されている中分子医薬品は、シクロスポリンくらいしかないのが2017年の段階での現状です。

心臓、肺などの臓器移植の際におこる体の拒絶反応を抑えるために用います。

また自己免疫が発症の原因と考えられている自己免疫疾患(関節リウマチ、溶血性貧血、ネフローゼ症候群など)の治療に用いられることもあります。

出典:シクロスポリン

さらに、シクロスポリンは人工的に開発された医薬品ではなく、自然が生み出した天然有機化合物です。

はっきり言って、中分子医薬品の研究開発によって生み出された努力の賜物ではないと言っていいと思います。

実際に、人工的に開発された中分子医薬品は臨床段階まで進む化合物はあるものの、その実用化にはまだまだ相当な時間がかかると予想されます。

中分子医薬品の問題点としては、化学構造の主な部分はペプチドなので、胃や腸に届くまでに分解されてしまうということがあります。

要するに不安定であるということです。

アミノ酸とアミノ酸がペプチド結合(-CONH-)して、2個以上つながった構造のものを『ペプチド』といいます。

20種類のアミノ酸を使ってアミノ酸2個からなるペプチドを作ると、ペプチドは総計20×20=400種類あることになります。

ペプチドの例

出典:ペプチドとは

また、化学構造が大きいがゆえに結合させたい、目的のタンパク質とがっちりフィットするように分子設計する必要があります。

これが想像以上に難しく、達成できている製薬会社はほとんど皆無と言っていいでしょう。

さまざまな可能性を秘めている中分子医薬品ですが、この先の動向にも注意して見ていく必要があります。

前途多難な中分子医薬の研究開発ですが、きっとどこかの製薬会社が中分子医薬品の研究開発を効率化する技術を生み出し、信じられないくらいのスピードで加速し始める日が来ると私は予想しています。

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