血液内科は痛みが激しい患者が多く、向き合っていくには看護師もたくさんのエネルギーが必要になります。

しかし、最先端の医療を身に付けることができたり、患者やその家族とのコミュニケーションも多いため、非常にやりがいのある仕事とも言えます。

では、そんな血液内科について、仕事内容から給料、メリットやデメリットまで見ていきましょう。

血液内科

血液内科の特徴と概要

血液内科の特徴と概要
まずは血液内科の
概要や特徴を
簡単に知ろう!
最初に全体像を
知るのが大事!

血液内科は、血液や骨髄、リンパ腺に起こる疾患を対象にする内科の専門診療科目です。

症状

症状としては下記になります。

貧血症状 動悸、息切れ、全身倦怠感
易感染症状 原因不明の発熱、風邪を引き易い等
出血傾向や血液凝固異常 皮下出血、粘膜からの易出血

リンパ節腫脹なども見られます。

この様な症状で近医を受診後、血液疾患が疑われ専門医のいる病院に紹介されるケース、また症状がなく健康診断の所見で血液疾患が疑われ、受診するケースもあります。

疾患

血液内科で扱う主な疾患は以下の通りです。

各種貧血 ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血
造血器腫瘍 急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫
出血性疾患 特発性血小板減少性紫斑病、血友病
骨髄増殖性疾患 原発性骨髄線維症、本態性血小板血症、真性多血症

血液疾患は難治で重症なものが多く、特殊な知識、技術、対応が必要である為、専門医による治療が不可欠となります。

しかし、他の内科疾患と違い、発生頻度も少ない為、国内でも常勤として専門医がいる医療施設は規模の大きな総合病院や大学病院など700箇所余りしかありません。

治療の為に遠方から受診するケースも多々あり、治療以外での本人、家族の経済面やメンタル面等の問題も十分加味して関わることが大切です。

また、寛解しても再発の可能性が高く、長期入院や入退院を余儀なくされるケースも多いです。

日常的に接する疾患とは違う為、治療一つ一つが生命を左右するシビアなものだという事を深く認識する必要があると言えます。

血液内科で働く看護師の仕事内容・役割

血液内科で働く看護師の仕事内容・役割
血液内科の看護師は
どんなことするのか
難しいのかなぁ…

外来

問診

問診では、発症までの経過、症状や既往歴の聴取、また皮膚や粘膜の状態なども観察します。

易感染状態であることが多い為、感染予防には十分注意する必要があります。

診察介助

血液内科では、大多数が造血器悪性腫瘍の患者さんになります。

よって初期治療から入院を必要とするケースが多いです。

外来では、通院治療が可能になった患者さんの治療継続(化学療法など)や経過観察、また精査で受診した患者さんや入院を必要としない程度の血球減少や多血症の患者さんの診察などを行います。

輸血が必要な患者さんには輸血も外来で行われることもあります。

看護師の役割としては、

  • 化学療法や輸血を行う際のオリエンテーション
  • 抗がん剤の準備
  • 投与中の副作用のモニタリングとその対応
  • 医師や薬剤師との連携

等があります。

検査介助

血液内科で特徴的な検査としては、骨髄検査(骨髄穿刺、骨髄生検)があります。

骨髄穿刺は、胸骨または腸骨から骨髄液を採取し骨髄の機能、病変を診断する検査です。

骨髄生検は、骨髄生検で骨髄液が吸引できない時に行われます。

看護師の役割としては、

検査前のオリエンテーション 検査同意の確認、検査の流れの説明、不安を軽減できるようなメンタルケア
物品の準備 清潔野の確保、プライバシー確保用カーテンやスクリーン設置
検査データの確認 出血傾向や易感染傾向があるか、感染症の有無の確認、局所麻酔薬に対するアレルギーの有無
患者さんの準備 更衣、体位を整え、不要な露出がないようにする
穿刺施行時の医師の介助 無菌操作、抜針後は滅菌ガーゼで用手圧迫(5分間)、出血傾向がある場合は十分注意する

他、施行中の全身状態の観察もあります。

患者への説明や相談

血液内科での治療や検査は苦痛が伴うものがほとんどです。

治療や検査前のオリエンテーションでは十分な説明を行い、患者さんが理解しているか、受け入れられているかを把握することが大切です。

少しでも不安感を軽減できる様、質問に対しては専門的知識を持って正確に応えられるようにしておく必要があります。

また、治療は長期化することが多い為、

  • 費用面での負担
  • 仕事や生活に対する不安
  • 治療の副作用による身体的精神的苦痛

などの相談にも対応していかなければなりません。

チーム医療として

  1. ソーシャルワーカー
  2. 心理士
  3. 薬剤師
  4. 栄養士
  5. 理学療法士

などコメディカルスタッフとの連携をスムーズに取れる様にするのも看護師の重要な役割と言えるでしょう。

病棟

状態の観察・異常の早期発見・全身管理

バイタルサインチェック、状態観察、採血、服薬などの業務に加え、血液内科では化学療法や骨髄穿刺、骨髄移植などが行われます。

治療中は全身管理をし副作用や急変を早期発見、対応し、治療がスムーズに行われるようケアする必要があります。

化学療法の介助

入院中の患者さんは、毎日のように化学療法が行われています。抗がん剤の準備、チェックはもちろん、確実な静脈確保スキルがないといけません。

抗がん剤は血管外に漏れると組織が壊死を起こしてしまう為、細心の注意が必要です。

そして治療中は血管にきちんと入っているか漏れがないか常時観察します。

副作用ももちろん発現するので、それぞれの症状に合った適切なケアをし、患者さんの不安や苦痛を軽減できる様に努めます。

無菌室でのケア

血液内科に特有な治療として、骨髄移植があります。

骨髄移植は無菌室での治療となり、手洗い・ガウンテクニックから始まり、清潔・不潔をしっかり区別し、感染が起きない様、清潔操作を徹底しなければなりません。

日常生活ケア

化学療法の副作用により患者さんたちは嘔気嘔吐、口内炎などで食事が摂れない、全身倦怠感によるADL低下など日常生活に多くの苦痛が生じます。

食事の工夫、気分転換、清潔ケアなど日常生活をスムーズに送り、治療に臨めるよう援助する必要があります。

心のケア

化学療法の副作用には脱毛があります。

説明を聞き理解したと思っていても、実際に起こってみるととてもショックなものです。

治療スケジュールに合わせ、かつらや帽子の準備を勧めたり、自毛がいつ伸びるかも見通しを立てて、脱毛によるショックを少しでも和らげるような援助が必要です。

また、疾患自体が難治で重症、長期にわたる治療となる為、今後のライフプランや家族の事など問題が山積していきます。

看護師は患者さんのトータル的な人間像を把握しやすいので、心に寄り添ったケアでその時々のニーズを引き出し、ケアしていく役割があります。

他職種との連携

先にも述べましたが、治療の長期化による様々な問題を把握してチームで援助して行ける様、看護師はその都度患者さんに

  • どんなケアが必要なのか?
  • どんなケアを望んでいるのか?

ニーズをしっかり把握し、他部署や他業種との連携を綿密に行い、より良い治療やケアを受けられる様、コーディネートしていく役割があります。

血液内科で働く看護師の給料

血液内科で働く看護師の給料
血液内科の給料は
どのくらい?
仕事が重い分
たくさんの給料が
もらえるはず…!

病棟勤務では、1ヶ月夜勤を4回程度込みで、25~32万円前後です。経験年数や地域によって上下が見られます。
ボーナス込みの年収で見ると、440~500万円前後です。

日勤のみでは、ここから毎月5万円程度のマイナスとなり、年収では380~440万円前後になります。クリニックでは、22~24万円前後です。
ボーナス込みの年収で見ると、300~390万円前後になります。

専門性が高い大学病院や国公立系などの大きな総合病院にのみ診療科がある為、一般病院よりは多少高めに設定されています。

国公立の場合、公務員扱いになるともう少し給料アップが望めます。

オススメの参考書

看護師が血液内科に転職するために勉強しておくと良いコトやオススメの参考書
本読んで
勉強すっか!
眠くなってきたけど

医療の世界は、日進月歩で常に新しい治療法や新薬が開発されています。

血液内科では、抗がん剤などの化学療法を行うことが多い為、疾患別抗がん剤の種類や副作用を予めわかっているとケアしやすいでしょう。

その他、

  • 悪性疾患を患い長期治療が必要となった患者さんの心理
  • また各年齢層によりどの様な問題が生じて来るか
  • 本人家族も含めたどんなケアが必要か
  • 社会資源

などについても勉強しておくとニーズに合ったケアを提供できるでしょう。

血液内科系の参考書としては、以下のようなものがあります。

  1. 造血幹細胞移植の看護 単行本 – 2014/3  日高道弘 (著), 高尾珠江 (著)
  2. 血液・造血器―成人看護学〈4〉 (系統看護学講座 専門分野) 単行本 – 2015/1/6  飯野京子(著)
  3. 造血機能障害/免疫機能障害 (ナーシング・グラフィカ―健康の回復と看護) 大型本 – 2013/11/7 矢野久子(著・編集) 矢野邦夫(編集)

3つのデメリット・大変さ

デメリット

1. 難治の患者さんが多い

血液内科が受持つ疾患は、長期治療、寛解・再発を繰り返すなど治療も難しく深刻なものが大部分です。

治療や検査も苦痛を伴い、疾患自体が生命に関わる為、本人も家族もとても神経質になりがちです。

看護師も気を使い過ぎたり、どのように接すればよいか悩み、それがストレスになることも多々あります。

2. 高いコミュニケーション力が必要

そのような患者さんや家族をサポートしていく上では、信頼関係を確立しなければなりません。

しかし、患者さんの立場に立って十分に考えられなかったり、不注意な一言で深く気付けてしまうこともあります。

治療や検査などの説明を行うにも、この言い方でどのように受け止められるかまで想定して話す必要があります。

この様に非常に高いコミュニケーション力が求められます。

3. 急変が多い

疾患の特性上、急変が多く対応に追われたり、残業になったりすることも多く、肉体的精神的にとてもハードは職場です。

また、つらい治療で苦しむ姿を見たり、長い間関わってきた患者さんの臨終を目の当たりにすることもあります。

それらを受け止めきれずに看護の仕事をあきらめてしまう人もいます。

2つのメリット・やりがい

メリット

1. 最先端の医療を習得できる

血液内科は大きな病院にしかない為、全国から難しい症例が集まってきます。

一般病院では見ることのできない検査や治療を行う為、とても専門性の高い知識や技術を身に着けることが出来ます。

薬剤を扱うことも他科よりぐんと多いので、薬についての知識も豊富になり、転職の際にはとても役立ちます。

2. 患者さんの心に寄り添ったケアが出来る

入院が長期化したり、寛解しても再発を繰り返すことが多く、一人の患者さんに長期にわたり関わっていくことになります。

始めは難しくても徐々に信頼関係を確立し、相手の立場に立ったコミュニケーションが出来るようになれば、患者さんのニーズもよく把握できるようになり、家族も含めた心のケアを実践することが出来ます。

この様に患者さんとの長期的な関わりを通し、治療面及び精神面でもケア出来ることが血液内科の看護師としてのやりがいにつながっていくと言えるでしょう。

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